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2020/11/30
NPIメールマガジン「先端技術領域での国際的な知識伝播の現状の可視化 - 米中の技術的なデカップリングを検討する素材として-」(経済安全保障研究会)

中曽根平和研究所「経済安全保障研究会」では第5回研究会を10月27日(火)に開催しました。
今回は、「先端技術領域での国際的な知識伝播の現状の可視化 - 米中の技術的なデカップリングを検討する素材として-」と題して、吉岡(小林)徹一橋大学イノベーション研究センター講師が発表しました。
主なポイントは次のとおりです。

〇 中国の科学技術力の獲得には長期的な知識学習の過程が存在していることが推測される。特に米国企業の知識の参照、米国との人的交流が寄与していると考えられる。
〇 米中の技術的なカップリング関係は特許情報、論文書誌情報を用いることで一定度可視化できる。
〇 移動通信技術領域では、華為技術(ファーウェイ)の技術的・商業的なインパクトが2010年代を通じて増していることが確認できるが、サムスン電子、LG電子、クアルコムに比べると相対的にインパクトは小さい。また、クアルコムとファーウェイの間には相互に知識参照関係があり、技術的なデカップリングには大きな影響が伴うことが予想される。
〇 量子コンピューティング技術領域では、米中の共著が活発に行われてきたことがわかる。量的な生産では米中が抜きんでているものの、インパクトの点では中国は及ばない。ただし、中国の成果のインパクト自体は成長傾向にある。技術的なデカップリングは中国に対して特に大きな影響を及ぼすものと予想される。

吉岡(小林)講師の発表内容は< https://www.npi.or.jp/research/2020/11/26130516.html >をご覧ください。

経済安全保障研究会は、今後も定期的に研究会を開き、その成果を発信していきます。

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