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外交・安全保障

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2014/03/06
ベトナムのシンクタンクとの戦略対話

世界平和研究所では、この3月5日~6日にかけてベトナム・ハノイに出張し、海洋の安全保障に関して、ベトナム政府及びシンクタンクとの意見交換を行った。
特に、ベトナム外交アカデミー(Diplomatic Academy of Vietnam)と世界平和研究所共催で、ベトナムの政府関係者を一同に集めた1.5トラック対話を3月6日一日かけて実施した。また、ベトナム国防省国防・国際関係研究所、ベトナム社会科学院中国研究所、ベトナム外務省国家国境委員会とも意見交換を実施した。


両国間の政府レベルですでに合意されている日越間の戦略パートナーシップ関係の強化に基づき、日越間で海洋の安全保障分野の現状評価を共有するとともに、両国間の協力の可能性につき議論が行われた。
世界平和研究所からは、永岩俊道元航空自衛隊空将、香田洋二元海上自衛隊海将、川上高司拓殖大学教授、川島真東京大学准教授兼世界平和研究所上席研究員、松本 太主任研究員の5名が参加した。


冒頭、中国の内外政に関して、川島真上席研究員より中国の近年の外交方針の変化について解説、日越の専門家間で対中認識が共有された。
次に、南シナ海の領有権問題に関して、香田元海将より、南シナ海の国際公共財としての重要性につき説明した上で、同盟の重要性やサーベイランス能力の向上の必要性などについて詳細にレクチャー。また、永岩元空将より、東シナ海における中国のADIZ設定に関して、日本のとった対応を詳細に説明した。
さらに、川上教授より、米中関係の現状につき説明。特に一行のハノイ訪問中に発表された米国のQDRにつき分析を披露。先方よりタイムリーと高く評価された。
最後に、松本主任研究員より、日越間の協力につき、二国間での外交・防衛分野での様々な協力、地域諸国によるミニラテラル協議の開催、日ASEAN協議や東アジア・サミット、ARF、ADMMプラス等のマルチにおける協力の緊密化につき具体的な提言を説明し、日越間の協力のポテンシャルが大きいことが改めてよく認識された。


越側よりは、今回の対話の結果については、今回の対話を高く評価している様子がうかがわれた。翌週に越国家主席の訪日を控えたタイミングであったこともタイムリーであった。

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