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経済・社会

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2020/03/06
岸淳一主任研究員「「金融リテラシー調査 2019年」にみられる暗号資産を入手したことがある人の特徴」を掲載しました。

 岸淳一主任研究員「「金融リテラシー調査 2019年」にみられる暗号資産を入手したことがある人の特徴」を掲載しました。本文はこちらからダウンロードでご覧になれます。

(要旨)

●「金融リテラシー調査 2019 年」における 暗号資産を入手したことがある人は、比較的若い年齢層の男性 が多いことが確認された。また、暗号資産の理解度が低くなるにつれ、暗号資産の取引 等によって利益を得る人の割合が減り、 一方で損失を被る人の割合が増加していた。
●暗号資産を入手したことがある比較的若い年齢層は、暗号資産を株式・投信・外貨預金等といった金融商品と同一のものとして入手している可能性がある。
●金融リテラシー1の観点からみると、価格変動リスクの認識や期待収益に関する知識に基づく投資意欲については、暗号資産を入手したことがある人は、入手したことがない人よりも有している 一方、金融リテラシーに関する知識・判断は、暗号資産を入手したことがない人と比べて決して高くない。
●金融取引に際しての行動の特性は、複雑で自分がよく理解していない商品あるいは聞いたことがない商品であっても、①信用できると思う金融機関等が勧奨する、②多くの人が購入している、あるいは③高いリターンが期待される金融商品を選択しがちである。暗号資産についてもこうした行動の特性に基づいて入手している可能性がある。
●上記のこうした特性は、金融リテラシーの正誤問題の正答率がそう高くない要因であるほか、藤木(2019)による、「日本の家計の大半が、金融商品を購入するにあたり、その商品性を十分に理解し、適切な判断のもとに購入しているとは言えない」と分析・指摘の典型例と言える 。
●金融リテラシーの涵養という観点からみると、中心である比較的若い年齢層への金融経済教育が効果的と思われる。ただし、その際は、彼らの特性に応じた方法やアプローチを検討する必要がある。

以上

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