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2001/07/19
駐日インド特命全権大使 アフターブ・セート閣下 講演会 「Globalism and Universalism -インドと日本の役割-」

於:キャピトル東急ホテル

日本と世界において青年が直面する問題 最近、日本の青年の態度・目的意識・行動が変化している。日本の若者は人生の目的意識や社会への関心・責任感の欠如が顕著になっており、十分な知識やスキルを身につける努力を怠っているように感じられる。 一方、世界の若者たちは、環境の悪化・天然資源の枯渇・人口増加・地球温暖化などの問題に直面している。これらは、人間が自然の摂理に反した結果と言える。 発展途上国が参加していないことを理由に、米国が京都議定書からの離脱を表明しているが、デリー市ではディーゼル車を1年以内に市内の道路から閉め出すなど、インドも温暖化防止への努力は実施している。将来的には、すべての国が温暖化防止の枠組みに加わるべきで、京都議定書のタイムテーブルに従い、話し合いに参加していきたい。

インドと日本の役割 インドと日本の文明遺産は、生態学的バランスを崩す富と欲と戦うための弾薬である。インド思想も古代日本の神道・仏教も、すべての自然は互いに調和し共存していかねばならない、と説く。それらは多元的で絶対的な真実の主張がなく、すべての現象と世界中の人間に対するユニバーサル的なアプローチであり、同時代的な価値を見いだせる。 21世紀において、インドと日本は、世界における核兵器の武装解除を求め、国連安全保障理事会の常任理事国として協力しあえるだろう。インドの真意は誤解されがちだが、インドは1954年以来、常に世界における平和と武装解除を呼びかけてきた。

IT分野での日本・インドのパートナーシップ インド人には数学的能力と高い記憶力が備わっているうえ、約5,000万人が英語を話すことができ、世界のITスキル技術者をまかなえる。また、時差の関係で24時間稼働するビジネスセンター・技術センターを構築でき、英国航空などは殆どの業務をインドで展開しているし、GEはバンガロールでR&Dを行い本国より多くの従業員を擁している。 政府は光ファイバ敷設・ハードウェアの輸入関税の免除・電子政府推進などの環境整備に努めるものの、IT産業への関与は極めて少なく、専ら民間活力に委ねられている。 特に、ソフトウェア産業の成長は著しく、輸出の伸びは年率57%に達している。5年前に$10億だったものが、現在では$70億であり、7年後には$500億と見込まれている。輸出は米・英・シンガポール・日本向け輸出が多い。 日本はハードウェア大国であり、インドはソフトウェアで世界をリードしている。日本とインドのIT分野におけるシナジーは顕著で、互いの利益のためにパートナーシップを持つことが自然である。日本人は宗教的伝統を失わずに現代技術を習得していて、この点はインドの伝統と似ており、より良い明るい世界を創るための自然のパートナーである。 既に800人のインド人ソフトウェア技術者が日本で働いており、新たに1,000人もの若手技術者がITパートナーシップのために来日見込みであるうえ、日本で起業するインド人の例もある。「ITサミット」の実現に向け協議中である。 (國井)

※この講演会は日本財団の助成事業により行っております。

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