2025/06/23
6月16日にNPI公開ウェビナー「China and the Baltic countries」を開催しました。
中曽根平和研究所は、6月16日に、ウナ・アレクサンドラ・ベールツィニャ=チェレンコヴォア氏(リガ・ストラディンシュ大学中国研究センター長、ラトヴィア国際問題研究所アジアプログラム長、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター特任准教授)をお招きし、NPI公開ウェビナー「China and the Baltic countries」を開催しました。
本ウェビナーは、中曽根平和研究所の研究プロジェクト「東アジア国際問題の内在的考察:地域研究から見る朝鮮半島・台湾海峡問題」のロシア研究会の活動の一環として開催され、活発な議論が交わされました。
〔登壇者〕
ウナ・アレクサンドラ・ベールツィニャ=チェレンコヴォア氏(リガ・ストラディンシュ大学中国研究センター長、ラトヴィア国際問題研究所アジアプログラム長、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター特任准教授)
〔司会〕
廣瀬 陽子 当研究所上席研究員(慶應義塾大学総合政策学部教授)
議論された主な論点は以下のとおりです。
- 初期の関係では、バルト三国は中国との経済協力に大きな期待を寄せ、16+1フォーマットを通じて積極的な交流を展開した。貿易と投資の可能性に対して非常に楽観的だった。
- 関係が変化し始めると、中国の投資とセキュリティリスクへの懸念が高まった。重要インフラへの中国の関与に対して警戒的になり、政治的影響力に対する批判的な見方が強まった。
- 2022年のロシアのウクライナ侵攻は、バルト三国の対中認識を決定的に変えた。中国のロシアに対する「親ロシア的中立」は、バルト三国にとって重大な転換点となり、16+1フォーマットからの撤退につながった。
- 現在、バルト三国は中国との関係において極めて慎重な姿勢を取っている。欧州連合とNATOとの連携を重視し、安全保障を経済的利益よりも優先している。