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2019/11/28
第12回「日中関係シンポジウム」を北京で開催しました。

前列左から、欧中国外交学会副会長、藤崎NPI理事長、武元中国社会科学院副院長、植野駐中国公使、蔡元中国文化部部長、三村NPI副会長、王中国外交学会会長、中曽根NPI副会長、陳元人民解放軍空軍副司令官、渡邉NPI顧問、程元駐日本大使、宮本元駐中国大使。2列目左から6人目荒井NPI副理事長、3列目左から6人目久保NPI研究本部長、7番目徳地NPI研究顧問、9番目丸川東大教授

 中曽根平和研究所(NPI)と中国人民外交学会は2019年11月27日に「日中関係シンポジウム」を北京で開催した。今回のシンポジウムは、世界が大きく変動する環境のもと、日中は大阪G20おける9年ぶりの中国国家主席の訪日や、来春の習主席の国賓としての訪日が予定されるなど、両首脳が長期的に安定した日中関係を構築することで一致する中での開催となり、全体として前向きな議論が活発に行われた。

 本シンポジウムは、政治・安全保障、経済、交流等に関する日中間の課題の議論を目的に2007年に日中国交正常化35周年を記念して始まって以来、両国の関係者が交互に訪問する形式で実施されてきた。

 第12回に当たる今回は、日本からは中曽根弘文NPI副会長を団長とする11名が参加し、中国からは王超人民外交学会会長を団長とする18名が参加し、議論を交わした。シンポジウム開会式では、三村明夫NPI副会長、及び王超外交学会会長、植野篤志駐中国公使が挨拶を行った。

 第1セッションでは、「時代に即し、新時代に見合った日中関係を築く」をテーマに、江瑞平元外交学院副院長を議長として、宮本雄二元駐中国大使と高洪中国社会科学院日本研究所学術委員会副主席から報告があり、その後、コメンテーターの程永華元駐日本大使も交え、新たな時代に向け、率直かつ建設的な議論と意見交換が行われた。日中両国は大国として、例えばWTO等の国際公共財を堅持し共に協力改革していく必要性を共有するとともに、更なる交流を通して理解を深めることが大事であり、そのためには相互の社会への信頼が必要であることが指摘された。また、若者の日中交流の仕組み作りが提案された。

 第2セッションでは、「世界政治・安全保障の大きな変化と東アジア」をテーマに、藤崎一郎NPI理事長を議長として、德地秀士NPI研究顧問と胡継平中国現代国際関係研究院副院長から報告があり、その後、コメンテーターの久保文明NPI研究本部長と陳小工元中国人民解放軍空軍副司令官も交え、意見交換を実施した。我が国の「自由で開かれたインド太平洋構想」と中国の「一帯一路構想」についてはまだ相互理解が不十分であるものの、日中の連携を進めていく点では双方の認識の共有が図られた。また、安全保障政策に関しては相互信頼が不十分な点がある現状を改善するため、ハイレベルな人的交流や対話を進めることが重要であることを双方で合意することができた。朝鮮半島情勢についても意見交換が行われた。

 第3セッションでは、「世界経済の変化にいかに対応していくか」をテーマに、楊伯江中国社会科学院日本研究所所長を議長として、丸川知雄東大教授と趙晋平元国務院発展研究センター対外経済研究部部長から報告があり、その後、荒井寿光NPI副理事長と陳文玲中国国際経済交流センター総経済師も交え、意見交換を実施した。中国経済が飛躍する中、日中の課題もあることから多くの分野で協力が可能であると指摘された。米中貿易摩擦では、中国は日本から輸入する中間財をもとに対米輸出するものも多いため、我が国も影響を受け、日中が相互に依存している現状を確認した。中国に対しては、外国投資法の適切な運用や、東日本大震災による食品の輸入禁止の解除を要請した。

 閉会式では、藤崎一郎NPI理事長と欧渤芋中国人民外交学会副会長によってシンポジウム全体の総括が行われ、その成果と課題について双方の認識を共有した。また、藤崎理事長により日中の政・官・学・メディアの若手リーダーの育成と交流推進のための構想が提起され、欧副会長からも賛同が得られた。

シンポジウムに引き続き、中国人民外交学会で行われたレセプションでは、中曽根弘文NPI副会長から王超外交学会会長に対して、シンポジウム開催とレセプションへの招待について謝辞が述べられた。また、中曽根副会長から、日中韓の子供たちによる童話交流を紹介しながら、日中関係の新時代の将来を担う青少年や若手リーダーの交流を推進していく方針が明らかにされ、王会長と合意に至ることができた。

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