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2015/11/30
第14回「日台対話2015」を東京で開催しました。

日台対話2015は、当世界平和研究所(IIPS)と遠景基金会の共催により、11月25日に東京で開催された。本対話は、2002年以来日本・台湾の有識者が毎年交互に訪問し、アジアの政治・経済・安全保障等について自由かつ広範に議論するもので、今回で14回目を迎えた。今次会合では、日本からは、佐藤謙 IIPS理事長、荒井寿光 IIPS副理事長、藤崎一郎 IIPS副理事長等が参加し、台湾からは趙春山 遠景基金会董事長、邱坤玄 国家安全会議諮問委員等の参加を得た。


本会合の総合テーマは「東アジア情勢と日台中関係の展望」として、戦後70年間の日台関係を振り返りつつ、日本の安全保障政策の進展、東シナ海及び南シナ海に関する現状認識、中国経済を中心とした東アジア経済の減速やTPP交渉の大筋合意などを踏まえて、「戦後70年の日台関係と課題」、「東アジアの安全保障情勢」「東アジア経済の現状と展望」の3つのセッションを設定した。


第1セッションでは、「戦後70年の日台関係と課題」をテーマに、藤崎一郎 IIPS副理事長を議長として、何思慎 輔仁大学教授、川島真 IIPS上席研究員からの報告に引き続き、ディスカッションを実施した。台湾側から11月に行われた中台首脳会談についての意義、目的が説明されるとともに、来年1月の台湾における総統・立法委員選挙の結果は現時点では定かではないが、どのような結果になろうとも、中台関係に大きな影響を与えず、また日本の安全保障にとっても否定的な影響を与えることはないとの認識が示された。台湾側説明を踏まえ、今後の中台関係及び日本への影響について活発な意見交換が実施された。さらに、国際及び東アジア情勢の変化を念頭に、非政府間の実務関係として維持されている日台関係の中での日台交流の課題などについて、率直かつ建設的な議論を行った。


第2セッションでは、「東アジアの安全保障情勢」をテーマに、邱坤玄 国家安全会議諮問委員を議長として、福本出 元海上自衛隊幹部学校長(元海将)、森聡 法政大学教授、馬振坤 国防大学教授及び蔡明彦 中興大学教授が報告を行った後、ディスカッションが実施された。日本の新たな安全保障政策及び偶発的事故防止のための取組について活発な質疑応答がなされ、特に安全保障法制及び日米同盟への影響について、台湾側の関心の高さがうかがわれた。また東シナ海及び南シナ海情勢を中心とした東アジアの安全保障環境に関し、現状認識及び今後について意見交換を行った。台湾側からは、中国の国内情勢から見た対外政策についての分析が示された。


第3セッションでは、「東アジア経済の現状と展望」をテーマに、荒井寿光 世界平和IIPS副理事長を議長として、徐遵慈 中華経済研究院台湾ASEAN研究センター主任、邱 逹生 アジア太平洋経済協力会議中華民国委員会秘書長、伊藤信悟 みずほ総合研究所調査本部アジア調査部中国室長から報告があり、その後ディスカッションが行われた。ディスカッションでは、TPPに伴う地域の産業サプライチェーンの調整・再編が予想されるが、多様性の高い東アジアでは、日台を含む広範な国々に経済連携協力や自由貿易協定を広げることで繁栄共存を遂げる余地が大きいこと、日台間の協力として、アジア地域での市場開拓に向けた民間協力やイノベーション推進のための連携の強化が重要であること、過剰投資問題等により中国経済の減速が続く中で、台湾と日本はともに潜在的な問題が顕在化し、成長は減速しており、それぞれ適切な行動計画や成長戦略に速やかに取り組む必要が生じていること等について意見が交わされた。

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