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2022/12/12
11月7日にNPIウェビナー「新型コロナウイルス感染症が人口動態に及ぼす影響とそのインプリケーション」を開催しました。

 2020年春に生じた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが引き起こした世界的な影響の一つとして、少子化の加速があります。とりわけ、少子・高齢化が急速に進んでいる東アジア各国での影響は重要です。我が国においても、出生数・出生率低下のインパクトは顕著で、しかもそれを補うような動きはみられていません。そのため、中長期的には、経済成長の鈍化、都市・地域の持続可能性やレジリエンスの低下等の課題が、より深刻化する可能性があります。

 こうした問題意識のもと、中曽根平和研究所・経済社会研究会では、特に日本と韓国の人口動態に焦点を当てて、研究の第一線で活躍するパネリストの解説も交えつつ、COVID-19の影響を踏まえた少子化の中長期的影響と将来の経済社会のシナリオについて議論する公開ウェビナーを開催いたしました。

  

[パネリスト]

崎坂香屋子 開智国際大学国際教養学部教授/当研究所経済社会研究会委員

高安 雄一 大東文化大学経済学部教授

増田 幹人 駒澤大学経済学部准教授/当研究所経済社会研究会委員

 

[モデレーター]

小峰 隆夫 大正大学地域構想研究所教授/当研究所常任研究顧問

 

当日は、官庁、企業、研究者、マスメディア等の方々の視聴参加を受け、活発な議論が交わされました。議論の主なポイントは以下のとおりです。

 

・人口減少に適応していく必要がある一方で、少子化対策も力強くやっていく必要がある。出生率には、例えば性別役割分業のような文化的背景が深く関わっており、我が国でもいま一度そうした点を見直す必要があるのではないか。

 

・子育て世代の配慮や、移住者へのサポートが手厚い自治体では、コロナ下でも人口を増やしているところがある。市町村レベルでうまくいったモデルを、全国に展開するような取り組みが必要ではないか。

 

・韓国では、少子化対策でいろいろな取り組みを行ってきているが、若者の大企業志向や教育費の高騰などが背景にあり、国民の考え方や行動が変わらないと解決は難しいという点では日本と同じである。韓国は、人口減少は受け入れて、それに合わせた経済や社会を作っていこうとしているように見える。

 

・最新の統計をもとにした試算によれば、我が国の国民希望出生率は従来の1.8から1.6に低下したとみられる。コロナによって解決がより厳しくなったところもあるが、逆にこれを奇貨として、あらためて人口問題をしっかり考え、必要な政策対応が進められることを期待したい。

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