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外交・安全保障

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2014/07/01
2014年日台米安全保障対話シンポジウム

世界平和研究所と台湾・中華経済研究院(CIER)、米国・戦略国際問題研究所(CSIS)は2014年7月1日、「2014年日台米安全保障対話シンポジウム」を台北市内で開催した。本シンポジウムでは、2011年から毎年、日本・台湾・米国の国会議員および有識者が一堂に会し、東アジア地域の安全保障のほか、経済協力、エネルギーなどをテーマに意見交換を行っており、今回で第4回を迎えた。世界平和研究所としては今回初めて主催者として参加、荒井寿光副理事長および安田啓研究員が出席した。


今回のシンポジウムは、環太平洋パートナーシップ(TPP)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの協定交渉で活発化する地域経済統合をメインテーマに実施し、日台米のほか、シンガポール、ニュージーランド、韓国、インド、オーストラリアを加えた8カ国・地域から20名余りの専門家が集結した。台湾の政府関係者、各国の駐台代表処関係者を中心に、現地マスコミなどを加えた約100人が参加した。開会式では、台湾行政院の鄧振中政務委員(国務大臣)が挨拶し、日台関係は2013年に漁業協定が締結されるなど最も良好な関係にあり、かつ重要な外交的ターニングポイントを迎えていると指摘した。


第一セッション(日台米議員対話)には、日本から大塚拓衆議院議員、鈴木馨祐衆議院議員(いずれも自民党)、米国からスティーブ・ストックマン下院議員(共和党)、台湾から蕭美琴立法委員(国会議員、民進党)、江啓臣立法委員(国民党)が出席した。TPPをはじめとする地域経済統合の観点のみならず、東アジア地域の安全保障の在り方、中国との関係などについて大所高所から意見を交わした。


第二セッション「地域経済統合の安全保障への影響」では、日本からは同志社大学法学部寺田貴教授が登壇し、日本とオーストラリアとのFTAを例に、地域経済統合だけでなく二国間の枠組みの戦略的な重要性も指摘した。

昼食時には台湾の蕭萬長前副総統が特別講演を行い、台湾にとっての対日関係、対米関係の重要性を再確認するとともに、日台米がそろう本シンポジウムの意義を強調した。


午後の第三セッションは「TPPのアジア太平洋地域のサプライチェーンに対する影響」と題し、慶應義塾大学総合政策学部渡邊頼純教授の進行の下、議論を展開した。同セッションで、杏林大学総合政策学部久野新准教授は、TPPの経済的効果を疑問視する見方に対し、これまで日本が締結してきたFTAは物品関税の自由化率が低く、TPPによる追加的な経済効果が期待できると述べた。


第四セッションでは、地域貿易協定の下での国内法制等の調和がテーマとなった。慶應義塾大学渡邊教授は、日・EU間のFTA交渉を例にFTAの非関税措置の論点を整理し、FTAが大型化する中で、いずれ貿易の「地域主義(regionalism)」を「多国間化(multilateralize)」していく必要があるとの展望を示した。


クロージングセッションでは、主催機関三者の代表が議論を総括し、世界平和研究所の荒井寿光副理事長は本シンポジウムが日台米の友好な関係が一層強化される一つの契機となったと評価するとともに、TPP交渉において積極的な役割を果たしていく日本の立場を紹介した。


0702-DM4U5397.JPGまた 今回のシンポジウムの機会をとらえて、日本代表団らは台湾の呉敦義副総統を表敬訪問した。呉副総統は、台湾がTPPやRCEPなど経済統合の枠組みへの参加を強く求めていることを表明し、日本や米国の協力に期待を示した。そのほか、代表団は国家安全会議、行政院大陸委員会、経済部などを訪問し、それぞれ意見交換、情報収集を行った。

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