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外交・安全保障

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2015/03/23
日米同盟研究プロジェクト ワシントンD.C.での非公開セミナー及び意見交換

3月3日~8日、日米同盟研究プロジェクト(研究委員長 久保文明 東京大学大学院法学政治学研究科教授、研究委員 川島 真 東京大学准教授・世界平和研究所上席研究員、細谷雄一 慶應義塾大学教授・世界平和研究所上席研究員、及びプロジェクト事務局 松崎みゆき 世界平和研究所主任研究員)は、米国ワシントンD.C.に出張し、非公開セミナー及び有識者との意見交換を実施した。また、現在ワシントンD.C.において研究中の研究委員 森聡 法政大学教授が現地にて非公開セミナー及び意見交換に参加した。


(本出張は、米日財団の助成を得て実施されている日米同盟研究プロジェクト「アジア太平洋地域における海洋安全保障と日米同盟」の一部として行われた。)


1. 外交問題評議会における非公開セミナー 
「アジア太平洋地域における海洋安全保障と日米同盟」をテーマに、シ―ラ・スミス外交問題評議会上級研究員及び久保文明 東京大学大学院法学政治学研究科教授を議長として、政府関係者及び研究者等を対象とする非公開セミナーを実施した。


川島 真 東京大学准教授・世界平和研究所上席研究員、細谷雄一 慶應義塾大学教授・世界平和研究所上席研究員、森聡 法政大学教授及び松崎みゆき 世界平和研究所主任研究員から報告があり、その後質疑応答及び討議が行われた。


東・南シナ海での情勢を踏まえ、国際的な規範とルールに基づいた海洋安全保障秩序の維持の重要性について確認するとともに、日本における安全保障政策に関する議論及び日米同盟に与える影響に関し、説明を実施した。


2. Center for National Policyにおける意見交換
パネッタ元国防長官、オルブライト元国務長官などを歴代の幹部とすることから民主党との関係の深さがうかがえるCenter for National Policy及び部外の中国専門家を中心とする有識者と、中国情勢、安倍政権の安全保障政策及び今後の日米同盟等に関する意見交換を実施した。習近平体制の権力構造、日米による東南アジア支援のための効果的な政策等についての議論に引き続き、日本側参加者から、安部政権における安全保障政策上の取組及び戦後70周年を迎えるにあたっての「歴史問題」に関する日本の立場について紹介し、米側参加者から理解を得た。


3. Center for the National Interestにおける意見交換
Center for the National Interestは、「特定の党には属さない」との立場であるものの、ニクソン元大統領によって設立されたシンクタンクであり、「共和党リアリスト」の観点から国際情勢の分析及び望ましい米国の安全保障・外交政策に関する考えが示された。オバマ政権における政策決定過程及びそれに付随する問題点などが指摘されるとともに、来年の大統領選に向け、候補とみなされている人物及び安全保障・外交チームの政策的志向などに関し意見交換を実施した。


4. U.S.-Japan Research Institute (USJI) 関係者との意見交換
ワシントンD.C.を拠点に研究プロジェクトを実施し、成果を戦略的に発信する目的で日本の8つの大学が設立した団体であるUSJIでは、「安倍政権下の日米関係、日中関係、および集団的自衛権の見直し」をテーマに、在ワシントン 日本企業関係者と意見交換を実施した。USJI理事である久保文明 東京大学大学院法学政治学研究科教授の司会のもと、川島 真 東京大学准教授・世界平和研究所上席研究員、細谷雄一 慶應義塾大学教授・世界平和研究所上席研究員及び松崎みゆき 世界平和研究所主任研究員から報告があり、その後質疑応答及び討議が行われた。


先方からは、ワシントンにおいてビジネスを行う上での観点から、米中関係が日本に及ぼす影響及び「歴史問題」についての問題意識が提示され、それに基づき現状分析を行い、今後の見通しについて意見交換を実施した。また、南シナ海情勢に関連した日本の役割及び中国国内情勢等に関する議論を行った。


5. メディア関係者との意見交換
安全保障・外交問題を中心とした米国情勢、日本関連報道に関する米国メディアの問題点及びワシントンにおける日本メディアの活動などについて説明がなされたのち、日米中韓それぞれの二国間、三国間関係の現状及び展望等について意見交換を行った。「歴史問題」に関連する日本における議論について紹介したところ、日本の立場を正確に国際社会に伝える重要性が指摘された。


(なお、当初ウィルソン・センターにて、約50名を対象とする公開イベントを予定していたが、大雪による連邦政府機関閉鎖に伴い中止となった。)

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