2026/03/04
日米同盟研究会コメンタリーNo.83「「普通の大国」化するアメリカ ―日米同盟の前提が変わるときー」(寺岡亜由美・ブランダイス大学助教授)を掲載しました。
2025年1月の第二次トランプ政権発足以来、その一挙一動にアメリカ国内のみならず国際社会全体が翻弄されてきた。しかし、その政策的含意は依然として不透明である。
まず経済面では、2025年4月「解放の日(Liberation Day)」の発表とともに、多数の国が相互関税を課され、アメリカによる唐突かつ一方的な経済的圧力に直面した。近年、対中脅威認識を強めてきたアメリカの同盟国にとっては、いわゆる「経済的威圧(economic coercion)」が中国の専売特許ではないという現実を突きつけられる出来事であった。他方、2026年2月に連邦最高裁は、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に行政府が議会の承認なしに相互関税をかけたことに対し、違憲判決を下した。アメリカにおける法の統治と三権分立がなお一定程度は機能しているということだ。

