2026/03/09
日米同盟研究会コメンタリーNo.85「アメリカ外交における多国間主義の「終焉」」(高橋和宏・法政大学教授)を掲載しました。
2026年2月20日、アメリカ連邦最高裁判所は国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act:IEEPA)を根拠とする相互関税やフェンタニル関税などを違憲とする判決を下した。同日、トランプ大統領はIEEPA関税を停止する大統領令に署名し、相互関税などは取り下げられた。だが同時に、1974年通商法122条に基づいてすべての輸入に10%の関税(課徴金)を課すと発表し、政権の看板政策を今後も維持する姿勢を示した。税率は近日中に10%から15%に引き上げられる見通しである。通商法122条は最大で150日という期限が区切られているため、今後は代替措置の検討が進められる。トランプ政権はより恒久的な関税が可能となる1974年通商法301条に置き換える方針だが、同法による関税賦課までには通常1年以上かかる各国別の事前調査が必要であり、関税引き上げの実施までには一定の時間を要するであろう。

