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外交・安全保障

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2025/09/19
ロシア研究会コメンタリーNo.6「ウクライナ戦争におけるハイブリッド戦争の新たな展開」(廣瀬陽子・慶應義塾大学教授)を掲載しました。

 2025 年 7 月時点で、ウクライナ戦争は開始から3年以上を経過しているが、ロシアは、多くの「欧米諸国」からの強力な制裁と孤立圧力に直面しながらも、その継戦能力を驚異的に維持し続けている。その根底には、従来型の正規戦に依存しない「ハイブリッド戦争」の深化と巧妙化がある。

 ハイブリッド戦争とは、軍事的脅迫と非正規手段を組み合わせ、政治的目的を達成するためにあらゆるツールを動員する戦争の手法である。政治・経済・外交・情報・心理戦・サイバー攻撃、さらにはテロや犯罪行為すら統合的に用いるこの手法は、古来の非正規戦の概念を拡張したものであり、現代ではその範囲と精度が飛躍的に拡大している。NATOのハイブリッド戦対策を担当する実務者たちが「もはや定義は不可能」と述べるのも、この流動性と適応力、短期間での進化のゆえである。

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